ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

クレゾール中毒

昔、病院のにおいといえば、クレゾールでしたが、
今はほとんど使われていませんね。

クレゾールは、
よく知られた消毒薬ですが、

犬猫さんに中毒をおこす可能性があります。

野良猫さんよけの薬にはいったりしていて、特に猫さんはこの臭いを嫌います。

先日、ワンコさんの首輪やリードをクレゾールで消毒した方がいらっしゃいました。伺うと、やはり、ワンコさんが最近元気がないとのことでした。(かなり、強烈な臭いなので、臭覚の優れたワンコさんだと、まいってしまったのでしょう)


クレゾールは、なめたり、さわったりしますと
毒性があります。

クレゾールは5%以上で、
 腐食性物質になり、危険物表示が必要です。
触ると、化学熱傷をおこします。

目に入ったとき
 とにかく、1秒でも早く、洗う、
 3分後に洗うと、角膜が傷つき、あとが残ってしまいます。

皮膚についたとき
 とにかっく、洗う。化学熱傷になります。

吸入したとき

 ただちに新鮮な空気の所に移し、呼吸困難があれば、酸を吸入する。鼻咽頭に化学熱傷をおこす。
咽頭浮腫による窒息がおきるようなら、気管切開が必要になる(ものすごーっく、オオゴトになるってことです)

食べちゃったとき
 首輪とかを、濃度の濃いクレゾールをつけてしまい、それをワンコがなめたら、食べるのとを同じことになりますよね。
 肺に腐食性物質がはいってしまったら、処置ができなくなりますので、胃洗浄は、かなり慎重に行わないといけません。(強酸、強アルカリは胃洗浄は禁忌、肺に逆流したり、食道や胃に穴があく恐れあり、命取りだから)
 吐かせない
 まずは、牛乳をのませる、水を飲ませる(希釈する)
 アイスクリームでもいいとのこと。

とまあ、おそろしいことがおきるのが、酸、アルカリ、クレゾールといった腐食性物質の中毒です。
犬猫さんは、なにをするか予想つかないので、
できるだけ、危険なものは身近におかないほうが
無難ですね。


(ぬいぐるみも、食べたら、消化管異物になります。ご注意!)
新聞報道で、犬猫さんなどが原因の火事が過去55件あったそうです。
原因は、コードをかじる、電子基板部に排尿した、などということが原因だそうです。

読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20130724-OYT8T00281.htm?cx_text=08&from=yoltop

ゴッキーやネズミ、ムササビ、などが原因の火事もあるそうです。
消防博物館HP
http://www.bousaihaku.com/cgi-bin/hp/index2.cgi?ac1=B311&ac2=&ac3=2280&Page=hpd2_view