ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

毛包虫症につける薬

体の毛穴にダニがたくさん寄生する病気があります。
アカラス(犬毛包虫症、ニキビダニ)です。
健康なすべてのワンコの毛包と皮脂腺に少数寄生していますが、免疫的な問題があったりすると、このニキビダニがたくさん増えてしまって、皮膚病になります。
強い炎症と脱毛です。
そこに二次感染をおこすと、ひどく痒がります。

人間やほかの動物にはうつりません。

診断は

毛穴の深くにひそむ虫なので、皮膚のそうは検査で発見しますが、顕微鏡検査であるのと、一部の毛だけに限定されますので、発見しにくいことが多いです。

そこで、

PCRという最新の手法でニキビダニの定性検査ができます(定量ではなくて、いるかいないかということです)
毛を少量とって外部検査センターに送って調べる方法です。

なかなか皮膚病が治らなくて、どんどん、毛がぬけていくといった症状のあるワンコさん、ぜひ、この検査をうけてみられるといいのではないでしょうか(毛をちょっととるだけなので、局所麻酔もいりません)

さて、

治療は

  ダニを殺す薬の内服、あるいは注射ですが、

最近でてきたのが、ダニを殺す成分が含まれた、ノミダニ予防のつける薬です。
コリーやシェルテイーなど、ダニを殺す薬(イベルメクチン)を飲むと副作用がでる可能性のある犬種、
薬が高額で続けられないといった場合、
薬が飲ませられない
高齢なので、薬を使いたくない

といった場合の選択肢として、
殺ダニ成分のはいった、背中につける薬を、
週一回のペースでつけるという方法もあります
。(報告では6-8週間かかったそうです)。

この病気は完全に治らずに再発しやすいので、注意が必要です。(ニキビダニがゼロになるわけではないので)
なめると、毒性がありますので、なめるような場所にはつけることができません。


今日は風がさわやかな五月らしい日ですね。