細胞診とは
皮膚になにやら、しこりをみつけた、、
これは、なにか?
しこりは見ただけでは何者かは、判定できません。
そこで、麻酔なしでできる簡易検査として(はじめの一歩ということです)
細胞診という検査があります。
これは、しこりに小さな針をさして、その細胞の中にどういう細胞があるのかをみる顕微鏡検査です。
組織検査と違って、針先だけのものなので、100%の確証を得られるわけではありません。
細胞診でなにをみるのかといいますと、
細胞が壊死しているのか、炎症なのか、悪性の腫瘍細胞があるのか、
ということです。
針先なので、悪性の腫瘍細胞がとれなかったり、硬いしこりだととりにくいので、
悪性の腫瘍細胞がみつからなかったといっても、100%悪性を否定することはできません。
大きな腫瘍になりますと、奥のほうに腫瘍細胞があって、まわりが炎症をおこして、じくじくしていたりします。そうしますと、針先には炎症細胞しか拾ってこない可能性があります。
その場合は、炎症や感染があれば、まず、抗生剤と消炎剤を内服して、炎症を抑えてから、
奥にある腫瘍細胞を検査することになりますね。
つまり、
細胞診の目的は、
炎症性か
悪性の細胞があるか
炎症プラス腫瘍
過形成か(正常組織の過剰な増殖)
悪性なら、上皮性か、非上皮性か、独立細胞腫瘍かという分類
をおおまかに分けることです。
一番知りたいことは、そのしこりが悪性か良性かどうかということですが、
これをみるのは、
細胞の異型性というのをみます。
つまり、細胞が正常な細胞と違っているかどうか、なんだか、あやしい形態をしているかどうか、
ということですが、
たとえば、乳腺腫瘍(猫は90%悪性、犬は50%悪性)
ですが、
細胞診では、悪性良性の判別が難しいといわれています。
悪性の場合は、やや幼弱な上皮集塊が多量にみられるという所見が主体で、これは絶対に悪性!という絶対的な判定がみつかりにくいといわれています。
細胞診で判定しやすいのは、扁平上皮癌と移行上皮癌、肥満細胞腫、リンパ腫、組織球種などです。
骨肉腫、線維肉腫、血管肉腫といった、肉腫とつくものは、細胞診で判定しにくいといわれています(組織検査になります)
細胞診は、顕微鏡検査で、病理検査のひとつです。
人間のお医者さんでも、臨床医と病理医といったように分野が違いますよね。
獣医療も同様で、細胞診は獣医の病理医がいます。つまり、獣医学のなかでの、さらに特殊な専門スキルと経験が必要であるということです。
このため、当院では、より正確な判定をするために、細胞診はすべて、病理検査センターに外注しています。