ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

子犬の栄養part1(小型犬の場合)

成長期の栄養について

大型犬と小型犬は違うので、
まずは小型犬の場合は

小型・中型の犬の成長スピード
 1日20-60gずつ増えます。 
 一番、成長する時期は、離乳期後の2-3か月齢です。このころにブリーダーやショップから飼い主さんのところにきますね。

 10キロ(成犬時)未満の小型犬は、

3か月で成犬時体重の50%
6か月       80%
10か月で成長が完了し、出生時の体重の約20倍に増える

つまり、生まれたときに150g、3か月で1,5キロのチワワはオトナになったら、3キロくらいになるってことですね!
    
必要なエネルギー
 おおざっぱにいえば、成長期前半は、成犬の2倍

成長期に伴って、必要なエネルギーは減少していきます。成犬の体重の80%に達する6か月のころには、エネルギー要求量は成犬よりも20%多いだけです。

一般に、女の子のほうが、オスよりも体重が軽く、体重増加のピークに達するのが速いです。

栄養の中身は、

 ・たんぱく質要求量は、成犬よりも多いです。

 ・カルシウムを過剰にとりますと、成長期の骨と関節の形成と抑制するといわれています。(カルシウムとリンのバランスを崩すため)

 ・ビタミン要求量は高いですが、ビタミンA,ビタミンD,ヨウ素亜鉛などを過剰にあたえるのは有害だといわれています。

 ・犬は必要なビタミンCをすべて肝臓で合成できます。ビタミンCを過剰に与えすぎると、骨格形成に有害だといわれています。


子犬はおなかをこわしやすい

・子犬は、成犬よりも食べ物の胃での滞留時間が短く、腸管の透過性が高いです。成長期に、徐々に膵臓酵素などの消化酵素が活性化されていくので、大人のワンコに比べて、おなかをこわしやすいです。
たくさんエネルギーをあたえないといけないのに、おなかが敏感で下痢をしやすいということで、子犬の食事は気を使わないといけないですね。

子犬は
、 消化管の発達が十分でない
  消化酵素の活性が低い
  すぐに胃から腸に食べものが流れる
   (すぐにおなかがすく)
  大型犬は、小型犬よりも消化能力が低く、軟便になりやすい。
  ストレスに弱いので、すぐに下痢する。


子犬の免疫力は低い
   
 子犬は、母犬さんから初乳(生まれてすぐに飲まないといけないお乳)から免疫力をもらっています。この受動免疫が成長につれて、減っていきます。ですが、自分自身の免疫力はまだ未発達なので、病気にかかりやすいです。
抗酸化作用のある物質(ビタミンC.ビタミンE,タウリンルテイン)を食事に添加することで、ワクチン接種後により早く防御レベルに達しやすいといわれています。
母犬さんからの移行抗体は、6-7週齢まで存在し12週齢まで残ります。子犬による抗体産生は12週齢くらいから上がってきます。
なので、ワクチン接種は、成犬と違って、複数回打たないとウイルスに対する抗体ができないのです。