ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬のリンパ腫

リンパ節は左右対称の大きさですが、片方だけが異常に大きくなったら検査したほうがよいです。

一般的に気づきやすいリンパ節は、 あごの下の下顎リンパ節です。ここは、歯石や口内炎、皮膚病、傷などでもリンパ節が腫れることがありますので、腫れているから、リンパ腫とは限りません。
リンパ腫ができても、初期は元気で食欲もあります。

症状
 皮膚の下のリンパ節が異常に腫れている
 呼吸がゼーゼーしたり、いびきが目立つ
 元気や食欲がおちてきた。

診断
 リンパ節の検査(細い針で細胞をとって、顕微鏡で調べる)

治療
 抗がん剤治療
 1,2週間に1回こうがん剤を注射する治療を6か月間継続
 抗がん剤治療によって、リンパ節が小さくなって寛解しますが、ガン細胞がゼロになって消えたわけではないので、いずれ再発するケースが多いです。
再発時には、抗がん剤がききにくくなります。

予後
 治療をおこなわない場合は、1か月以内で死亡
 抗がん剤治療を行った場合は、平均的な生存期間は約1年ですが、初回化学療法がきかない場合は、早く亡くなります。2割は2年以上生きることができ、予後はさまざまです。

グレード分類

 高悪性度B細胞型
 
 低悪性度B細胞型

 高悪性度T細胞型

 低悪性度T細胞型

の4つにわかれます。

 高悪性度B細胞型リンパ腫が最も多いです。低悪性度リンパ腫は全体の5-10%といわれています。
低悪性度T細胞型で、呼吸困難がなく、元気食欲があり、貧血や血小板減少といった血球減少症がない場合は、無治療で経過観察という選択肢もあります。3年生存率は80%以上です。