CT検査でわかること
おなかの中の病気を精査するために試験開腹という手段があります。ですが、病気になって具合の悪い犬猫さんに全身麻酔をかけて、おなかをあける手術というのは、かなりリスクが高いです。そこで、試験開腹の前に、おなかの中をスキャンして、手術適応かどうかをみるのが、CT検査です。
CT検査でわかること
・病変の有無
おなかあけて、なんにもありませんでした、、、では、犬猫さんがかわいそうですよね。
・病変がどこから発生して、どこまで広がっているのか
広範囲に腫瘍が広がっている場合は、おなかをあけても手術ができない可能性があります。犬猫さんの負担を最小限にするためにも、手術が可能かどうかを事前に診断する必要があります。
・小さな病変をみつける
エコーや単純レントゲンではみえないレベルの小さな病変をみつけることができます
・腹膜炎の有無など
・微量な腹水
・遊離ガス
おなかの中の腸に穴があいていることが疑われます(消化管穿孔)
・血管造影
病変が、動脈や大きな血管をまきこんでいないか(摘出が困難)
・臓器の捻転
肝臓、脾臓、腸捻転、子宮捻転が判明することがあります。
・異物
金属や石は明瞭にわかります。
木片、プラスチック、紙、布、ひもなどの異物はわかりにくいです。閉塞や消化管穿孔をおこしている場合、異物の可能性がわかります。
CTでわかりにくいこと
・CTでは、癒着の程度がわかりにくいです。癒着していると、病変の摘出が難しくなります。
・胃腸の粘膜の状況はわかりにくいです。胃潰瘍、炎症の変化は内視鏡での検査になります。