ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

猫カリシウイルス(FCV)

猫ちゃんの三種混合ワクチンの予防のひとつにカリシウイルスがあります。
これは、猫ヘルペスウイルス(FHV)による猫ウイルス性鼻気管炎とともに、猫さんに呼吸器病を起こす主要なウイルスです。いわゆる、猫カゼの原因ですね。

①最初の感染部位
 のど、次に鼻のなか、目の角膜、舌、など粘膜組織にウイルスがつきます。
そして、ウイルスが増殖して、上皮が壊死したり、水疱をつくったり、一過性のウイルス血症になったり、急性炎症反応などが起こります。

②主な症状
 くしゃみ、鼻水、結膜炎、目ヤニ、一過性の発熱、舌の潰瘍(舌が赤くなる)、肺炎、まれに関節と筋肉の疼痛でびっこをひいたりします。

拾った子猫で黄色い鼻水がぐじゅぐじゅで、くしゃみして、口臭が強かったり、舌の炎症がみられる場合は、このウイルスが考えられます。悪化しますと、黄色い鼻水で鼻づまりになり、食欲がおちていき、呼吸しにくくなり、口をあけて呼吸したり(猫は、通常、開口呼吸をしません)ったり、ひどい場合は二次的な日和見感染で死亡することもあります。適切な治療をうけ、免疫力があれば、軽度な感染症状を示し、回復します。

③感染経路
 飛沫感染
 感染して回復した猫ちゃんが、慢性のキャリアになって、長期的にウイルスを排泄します。同居の猫ちゃんへの感染源となります。
 高レベルにウイルスを排泄する猫ちゃんとの2.3日で接触感染、低レベルで11-13日間で感染します。

④消毒
 次亜塩素酸やヨード、50度30分加熱処理

⑤予防
感染力が強いので、ワクチン接種
感染している猫ちゃんと、同居猫の隔離
食器などの消毒


お外で拾った猫ちゃんが黄色い鼻水ぐじゅぐじゅで結膜炎などがあったら、ウイルス感染が疑われます。適切な治療をうけましょう。そして、同居猫と隔離し、同居猫さんはワクチン接種をしてあげましょう。