ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

尿検査 

尿検査で様々なことが示唆されます。

「検査したらなにかわかるんですか?治るんですか」ってご質問をうけることがあります。臭いでガンをかぎわけるラブラドールではないので、ごめんなさい、検査しなければ、病気を探ることができないってご説明していますが、、

①採尿の方法
尿検査は、自然排尿の場合、採取後すぐに行うのが理想ですが、なかなかそういうわけにはいかないので、
採取したら、冷蔵保存してください。冷蔵保存3-4時間以内であれば、尿の性状の変化や細菌の増殖の影響をうけにくいですが、尿比重の上昇、結晶の形成、酵素反応の低下がおこる可能性があります。

圧迫排尿は、腎臓に尿が逆流し、また、膀胱を傷つける可能性があります。
膀胱穿刺は、出血の可能性があります。膀胱腫瘍があった場合、針でさすことによって腫瘍が広がる可能性があります。
尿道カテーテルによる採取は、カテーテルをいれるときの尿道や膀胱損傷の可能性があります。下部生殖器からの分泌物の影響をうける可能性があります。

②尿検査の項目
・尿の外観
  透明化、濁っているか、赤いか
・蛋白
  蛋白が多いと腎臓の病気が疑われます
グルコース
  糖尿、副腎皮質機能亢進症、急性膵炎が
  疑われます
・比重
  比重が低い場合は、
  腎臓、肝臓、副腎皮質機能亢進症、子宮蓄膿症、  尿崩症、高カルシウム血症の病気が疑われます。
・PH
  尿PHは、食事の影響を受けます

アルカリ尿の原因(PH7.5以上)
 植物性蛋白中心の食事
 尿路感染
 体の酸塩基代謝の異常
 
酸性尿の原因(PH5.5以下)
 発熱(蛋白異化亢進)
 動物性蛋白中心の食事
 酸化剤
 体の酸塩基代謝の異常

・潜血反応
 赤血球、ヘモグロビン、ミオグロビンが尿にあるということです。
 
(赤血球) 
腎臓、尿路器からの出血
 炎症、感染、結石、外傷、腫瘍
 凝固異常
子宮の疾患または発情

(ヘモグロビン)
 尿路内での赤血球の崩壊
 溶血性疾患

 (ミオグロビン)
 筋肉の損傷

・結晶(顕微鏡)
アルカリ尿でストラバイト
酸性尿でシュウ酸カルシウム
尿酸アンモニウム(肝臓の病気、ダルメシアン、イングリッシュブルドックに多い)
細胞円柱
 腎臓の尿細管の炎症
上皮細胞
 膀胱の粘膜の炎症、過形成、腫瘍
白血球
 尿路系の感染、炎症

尿蛋白/クレアチニン比(外部検査)
 腎臓の病気の早期発見