ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

リンパ腫

リンパ腫という悪性腫瘍がありますが、腫瘍の悪性度のグレードによって、予後は様々です。ローグレードは比較的長生きするといわれています(全身性のイヌニキビダニにかかったりしやすい)。
犬は、多中心型といって、全身のリンパ節が腫れるパターンが最も多いといわれています。
猫は、体の中の消化管型のリンパ腫と縦隔型(肺や心臓がある胸のところ)が多いといわれています。

・多中心型リンパ腫(犬に多い)
体表にあるリンパ節が腫れます。触診による痛みはありません。最初は、無症状です。

・縦隔型リンパ腫
咳や呼吸困難になったり、胸水がたまったりします。

・消化管型リンパ腫
嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少、排便困難、しぶりといった消化器症状がでます。

・皮膚型リンパ腫
皮膚から、急速に肝臓や脾臓といった内臓、リンパ節、骨髄に転移します。平均生存期間は2-3カ月のものもある(原発性皮膚T細胞型リンパ腫)。
上皮親和型(菌状息肉腫)は、脱毛、色素がぬけたり、フケ、痒みなど慢性経過し、数カ月から数年たつと、カサブタや潰瘍(赤く、穴があいたようになる)、結節(硬いしこり)になります。

・節外型
腎臓、鼻咽頭、眼、神経のリンパ腫
猫ちゃんに腎臓のリンパ腫が多いです。
咽頭部のリンパ腫は鼻汁やくしゃみ、鼻の変形をおこします。


検査
 ・猫ちゃんなら猫白血病の検査
 ・リンパ節がはれていれば、FNAという細胞診
 ・一般血液検査、高カルシウム血症
  血清のタンパクの高ガンマグロブリン血症
 
治療
 ・消化管型の場合、外科的切除
 ・放射線療法
 ・化学療法
 ・リンパ系細胞のクローン解析をして、化学療法の薬剤を選択(かなり、特殊な治療です)

予後
 低グレードのリンパ腫の場合、生存期間は長いといわれています。
悪性度によりますが、治療しない場合は、平均生存期間は6-8週間です。化学治療をして、6-9カ月間(もっと長生きするこもいます)
再発すると予後は悪い(化学療法がきかない)


治療