ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

副腎皮質という内分泌器官から、グルココルチコイドというホルモンがたくさん産生されすぎる病気です。

原因は、
・副腎腫瘍
・下垂体依存性(脳にある下垂体というところが、副腎皮質を刺激して、ホルモンをつくらせます。そこからの指令がたくさんでているという病気です)
・グルココルチコイドの薬を大量に長年飲んでいたため(免疫抑制量くらい、強いステロイドを大量に飲んだ場合です。1週間程度、弱いステロイドを低用量飲んだくらいでは、なりません)

症状
・太鼓腹(腹部膨満)
・肝腫大
・運動不耐性
・筋力低下、筋肉萎縮
・パンテイング(いつも、ハアハアしている)
・多飲多尿
 1日で、1キロあたり、100ml以上飲む
・尿失禁(そそうする)
・多食
・皮膚の脱毛(左右対称に、側腹、下腹部、頚部、会陰)
・面ぽう、細菌性膿皮症、フケが多い
・皮膚石灰沈着症(白色/クリーム状のプラーク、紅h斑によって囲まれており、亀裂と二次感染)
(一般的な症状ではありません)
・傷が治りにくい


この病気にかかると、様々な病気が続いておこることがあります。
.インスリン抵抗性による糖尿病
・免疫抑制
・膵炎
・肺血栓塞栓症
・二次感染(膿皮症、膀胱炎)
・突然死
・神経兆候

犬の場合は、80%以上が、下垂体依存性副腎皮質機能亢進症といわれています。とくに、ダックス、プードル、小型テリアに多いといわれています。
一般的に7-9歳から発症しやすいです。

診断は、臨床症状と、ACTH刺激試験などの血液検査、エコー、レントゲン検査です。
治療は、ステロイド合成を阻害する酵素阻害薬や、副腎皮質を破壊する薬です。副作用の強い薬ですので、注意が必要です。
下垂体摘出手術は、発病率と死亡率が高いといわれています。