ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

食道の病気 食べて吐く(吐出)原因

食べた後、すぐに吐いてしまう原因はいろいろあります。こわい原因もありますので、続くようでしたら、しっかりと治療しなければなりません。食べて吐くということが続くと、食べたくても食べれない、で餓死してしまいます。(たいへん、悲惨です)。吐出を繰り返しますと、誤嚥性肺炎をおこす可能性があります。

・食道炎(軽いものでしたら、薬で治療できます)

・特発性巨大食道
  食道が大きくなって、運動機能が低下します。
  外科的手術も難しく、かなりやっかいです。
  誤嚥性肺炎を予防しつつ、立って食事を食べさせ  ます。

・食道が狭くなっている(食道狭窄)
  食道炎が悪化して、食道が狭くなります

・胃から十二指腸にいく幽門が狭くなっていて、通過障害をおこしている。嘔吐を繰り返すことによって、食道炎もおこす。

・胃拡張胃捻転症候群
(大型犬に多く、胃と脾臓がねじれる。嘔吐できない、吐くそぶりをみせる)

・神経疾患(ジズテンパー、脳、鉛中毒)

・重症筋無力症(胸腺腫など)

・免疫(多発性筋炎など)

咽頭部の異常による嚥下困難(のどがせまくなっていて、うまく飲み込めない)
短頭種に多い。
短頭種気道症候群のワンコさんでは、ほとんど消化器病変があるといわれています。

・子犬の場合、心臓の奇形(血管輪、シェパードに多い)、先天性食道拡張

・過去1か月以内の全身麻酔
麻酔によって、逆流性食道炎や続発性食道狭窄がおこることが、あります。これは、麻酔薬が食道括約筋を弛緩させる作用があり、寝ている状態ですので、胃酸が食道内に逆流し、食道炎をおこすからです。術後の1週間前後に症状がでやすいといわれています。


・薬物
ネコの場合、ドキシサイクリンが原因となります。この薬はPHが酸性のため、食道に停滞していると、食道の炎症をおこすため。予防はバターなどを薬にぬって、スムーズに薬が胃にいくよう、配慮してあげることです。

・ネコさんの毛玉
しょちゅう、はいていると、逆流性食道炎になります。吐かせるための、猫草はおすすめしません。

・食道異物

・食道の運動機能の低下
内分泌(甲状腺機能低下、副腎皮質低下症)の病気で、食道がうまく動かなくなり、食べ物がいつまでも食道にとどまったりと、食道拡張をおこすことがあります。

・食道に胃がはいりこんでしまう、食道裂孔ヘルニア
・食道と胃が重なってしまう(胃食道重積)
・食道の腫瘍(まれ)



などなど、いろいろです。検査は、レントゲンのバリウム造影検査と内視鏡検査となります。
治療は、原因によって異なりますが、薬の内服、脂肪の少ない食事、流動食で改善する場合があります。食道狭窄をおこしている場合は、バルーンカテーテルを用いて食道を広げる手術もあります。