ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

皮膚と皮下組織にできる腫瘍(軟部組織肉腫)

皮膚や皮下組織にできる腫瘍(軟部組織肉腫)には、いくつか種類があります。悪性度が低いものとして、

・繊維肉腫(口の中にできるものを除く)
・ケロイド繊維肉腫
・粘液肉腫
・脂肪肉腫(まれ)
・血管周囲の腫瘍
・末梢神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維肉腫)
・多形成肉腫(繊維組織に由来する悪性線維性組織性肉腫)
・間葉腫

これらの腫瘍は、一般的に、皮膚に硬結し、皮膚、筋肉、骨に固着しています。あるいは、軟らかく、脂肪腫のようにみえることもあります。皮膚に侵潤せず、被膜に覆われていることが多いです。

顕微鏡で、紡錘細胞がみられます。また、
①リンパ節に転移しにくい
②内臓や肺への転移はまれである。
といわれています。


診断は、細胞診断では、確定しにくく、バイオプシーという太い針で組織をとって、病理検査をしないと、どういうものかを診断することが難しいといわれています。

治療は、腫瘍をきちんと外科的に切除し、取りきれない場合は放射線治療や化学療法です。
四肢の足先などにできた、軟部組織肉腫は、マージンがとりにくいため、切除が難しい場合があります。断脚という選択肢もありますが、ゆっくり成長するもので、悪性度が低い腫瘍であれば、必ずしも断脚しなくてもよいかもしれません。

手術でとりきれた場合、組織の悪性度ごとにみますと、
グレード1 再発、転移しない
グレード2 再発はまれ
グレード3 発生そのものがまれですが、再発転移します。

手術できちんと腫瘍をとりきれた場合で、グレードが低い(悪性度が低い)ものは、予後がよく、生存期間も長いようです。