ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

ワクチンアレルギー

どのワクチンでも起こりうる副作用のアレルギー反応があります。
特に、ダックスさんが、レプトスピラという鼠の尿からうつる細菌を予防するものが入っている多価ワクチンの7,8、9種ワクチンに対してアレルギーを起こしやすい傾向にあります。6種や8、9種に含まれているコロナウイルスもワクチンアレルギーの原因になりやすいといわれています。コロナウイルスはかなり幼弱な子犬のみかかるような弱いウイルスなので、免疫がしっかりできあがった成犬には必要ありません。ですので、当院では、5種か7種混合のワクチンをおすすめしております。高齢のワンコさんには、ジステンパーとパルボの一番怖いコアのウイルスを予防する2種混合ワクチンをおすすめしております。特に、ジステンパーは、抗体価が上がりにくい(特に、ゴールデン)ので、毎年1回の予防接種が必要です。

さて、ワクチンアレルギーには、症状は様々です。
① 軽度のものですと、IgEの1型アレルギーで、ムーンフェイスといって、顔が膨らみます。あとは、かゆみがでたり、発熱、だるいなどの症状があります。
② アナフィラキシー
、1型アレルギー反応の中で全身性に症状がでるものです。全身性の浮腫、呼吸困難、失神を起こします。きちんと処置すれば、大丈夫です。

③ アナフィラキシーショック
 循環性のショックが起きて命にかかわります。おそらく、処置が間に合わない可能性もあるくらい急激な変化のようです。幸い、わたしは、このケースに遭遇したことはありません。

アナフィラキシーを一度でもおこしたことのあるワンコさんには、どのワクチンに対しても起こす可能性があります。ワクチンをうつよりは、抗体価を測定して、できるだけ、ワクチンをうたないほうが、無難だろうといわれております。
ワクチンを接種した日は安静にすごすことが大事です。急に血行動態がかわることによって、アレルギー反応がでる可能性もあります。
そして、ワクチンを接種したときに、すぐに静脈確保、気道確保などの救命処置を受けられる場で、ワクチン接種をうけることをおすすめいたします。
個人的な意見ですが、御自宅で往診によりワクチン接種をうけることは、アナフィラキシーがでた場合の救命処置に対応することが、なかなか難しいのではないかと危惧しております。
ですので、ワクチン接種にいかれる時間は、できるだけ、病院がしまるギリギリの時間をさけたほうがよいでしょう。