ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

小笠原のネコレンジャー

東京都獣医師会と環境庁と東京都と小笠原のNPO法人で、小笠原の固有の動植物を保護するためのノネコ対策をとりくんでいます。このプロジェクトについて、先日、町田市獣医師会でNPO法人の方にお越しいただいて講演会をしてもらいました。
小笠原が世界遺産に登録されるほど、固有種と絶滅危惧種の宝庫であること、海洋島であるので、人が住んで200年足らず、無人島も多く外来種が少ないため、進化の過程をみることができる貴重な場であること(あ(ドバトや鼠がないそうです)、だそうです。ですが、人ととともにやってきたネコさんたちが、ノラになって、島の中に住み着き、絶滅危惧種や貴重なウミドリたちを食べてしまう、侵略的外来種になってしまっている問題が浮上しているそうです。オーストラリアなどでは、ネコを外に出すと有無をいわさず殺処分になるそうです。カンガルーも害獣扱いで食料になっています(コアラとえらく、待遇が違います)ですが、小笠原では、野ネコを捕獲して、東京都に送って、東京都獣医師会が保護しているとのこと、これまで、250頭が112の動物病院に引き取られたとのことです。「島を守ろう、ネコを救おう」とういうプロジェクトが進められ、その努力もあって、ウミドリたちももどってきて、繁殖地の保護に成功しつつあるとのことです。
世界遺産に指定され、世界に日本が誇れる小笠原諸島が、村民がネコを放し飼いにしたため、自然が壊されるという問題は、考えさせらます。生きた鳥を捕獲していたような野ネコがはたして、都会の室内ネコさんに生まれ変われるのかって思いましたが、意外にも家庭猫さんになって幸せにくらしているそうです。ノラネコさん問題は、小笠原だけではなく、都会の問題にもなっています。お外にだすときは、せめて避妊去勢をしっかりやってほしいものです。ちなみに町田市は犬猫さんの避妊去勢に補助金をだしています(今年度は希望者多数で予算はおわったそうです)