ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

膝蓋骨脱臼

小型犬に多いのですが、膝のお皿(膝蓋骨)がはずれやすいワンコさんが多いです。症状、グレードによって、内科的治療か、外科的治療を考えないといけません。原因は、先天性、外傷性(フローリングでボール遊びや過激な運動をして、すべるなど)、発育性があります。
小型犬(ヨーキー、ポメラニアン、トイプードル、シーズー、チワワ)に多く内方脱臼(膝のお皿が内側にずれる)をおこします。股関節形成不全と関連がありる場合もあります。

グレード0 正常

グレード1
 脱臼していますが、手で簡単にもどせる。臨床症状はなく、ときどき、はずれる程度

グレード2
 痛みは強くありません。スキップ様のびっこをひきます。膝のお皿は簡単に脱臼しやすい状態になっています。寝起きや、動き始めのときなど、膝の関節を曲げているとき、脱臼し、びっこをひきやすくなります。進行しますと、常に膝蓋骨を支える靭帯が外や内側などあらぬ方向に引っ張られていることで、靭帯が伸びてしまって、また膝の下にあるけい骨(脛)が変形したり、とグレード3に進行していきます。

グレード1,2の段階では内科的な治療の対象になります。
ですが、若い時にグレード2の段階で早めに手術をすると予後がよいといわれています。シニアのワンコでは、お勧めしません。

グレード3
 いつも膝のお皿がはずれている状態ですが、人の手で簡単にもどる状態です。
いつもはずれていると、はずれているのが痛いのではなく、膝の伸展ができなくて、伸ばせないので、びっこをひきます。
そして、常に伸展できず、縮んだ状態でいますと、筋肉が委縮し、関節が伸ばせなくなり、その状態で固まってしまいます。

グレード4
 いつも、膝蓋骨が脱臼している状態で、人の手でもどすことはできません。常にびっこをひいて、痛い足を曲げたままになります。うずくまった姿勢でびっこをひき、前肢に体重をのせ、悪いほうの足を浮かせたように歩行します。前肢の関節にも負担がかかります。大腿骨や脛骨の変形も重度となります。

グレード3,4は、手術対象です。手術方法は100通り以上あるといわれております。