ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

脊柱管狭窄症

先日、母が、脊椎の分離すべり症と脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアになって、麻生総合病院の脊椎脊髄病腰痛センターで、高名な森下益多朗先生に内視鏡手術をしてもらいました。(分離すべり症の手術は次回予定)内視鏡手術でしたので、2ミリの切開だけで、翌日から歩けるようになりました。本当にありがたいことです。(ただし、3か月間、お風呂は禁止、シャワーのみというところが、イタイです)
ところで、犬猫さんにも(猫はあまりありませんが)脊椎の病気があります。
ウオーブラー症候群という頚部脊椎管狭窄症があり、ドーベルマングレートデンバセットハウンド(靴のハッシュパピーの看板犬さん)に多いといわれております。発育期に過剰に食べさせたり、慢性的なカルシウム過剰食が骨格の発達に深刻な影響を与えるためといわれています。大型犬の子犬のときに、よかれと思ってカルシウムのサプリなんて、あげないほうがよいということです。良質な子犬用の総合栄養食を体重にみあった量をあげるとよいですね。ウオブラー症候群の症状は、徐々に進行し、後ろ足の運動失調です。首をさわられることを嫌います。起き上がるときや、排尿、排便姿勢がおかしくなったり、爪が摩耗し、つま先がナックリングといって、曲がってきちんと立てない、ときどき、前肢がけいれんするといった症状でます。
診断は、脊髄造影などの精密検査、治療は椎骨のアライメントの是正と脊髄の圧迫を取り除く外科的な減圧手術になります。老齢犬ですと、内科的な痛みどめという選択肢もありますが、、、
長くなりましたが、結論は、犬でも脊柱管狭窄や脊椎分離症があり、大型犬さんは、子犬のときのフードにきをつけましょうということです。犬は、人間のような高度な治療をうける機会も少なく、費用もかかります(もっとも、人間も入院して、個室にはいると、手術代は保険がきいても、自己負担も相当な額になりますよね。だから、犬さんは入院部屋代はあんまりかかりませんので、総額は同じくらいにかもしれません)。