ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

鼻の中の腫瘍(鼻腔内腫瘍)

鼻腔内・副鼻腔の腫瘍は、犬猫さんの腫瘍の中で、1%を占めるといわれています。コリーやラブ、ゴールデン、シェパード、スパニエルなどの中型から大型犬(鼻の長い犬種)に多いそうです。猫では、猫白血病ウイルスが陰性でも、兄弟にり患した猫さんがいたりとなんらかの形でかかわった場合は、関連があるといわれており、鼻腔内リンパ腫になる可能性があるかもしれません。症状は、鼻汁(水のような鼻水であったり、黄色い膿や鼻血などさまざま)で、初期は片方だけから鼻水がでます。そして、くしゃみや鼻出血、鼻が充血し、いびきがひどくなったり、流涙(鼻涙管閉塞)です。鼻の腫瘍は、転移するには時間がかかりますが、鼻の中の腫瘍が大きくなって、顔が変形します。あるいは、眼球が突出したり、腫瘍が骨を溶解したりします。
鼻水がでるからといって、すべて、腫瘍というわけではありません。細菌感染(粘液性の鼻汁や咳や痰がでます)やアスペルギルス、アレルギー性鼻炎、あるいは歯石がたくさんついて、歯からくる鼻水やくしゃみも考えられます。
治療は、外科的に切除(顔が変形する可能性あり)、放射線療法(全身麻酔をかけるのと費用がかかります)があります。抗がん剤は、リンパ肉腫のみ効果があるといわれています。