ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

犬の皮膚腫瘍の発見は愛情のバロメーター

飼い主さんがおうちのワンコさんと日頃きちんとさわって、接していると、びっくりするくらい、小さな腫瘤をみつけて来院されることが多いです。大事にされている犬さんほど、オーナーさまが腫瘍の早期発見をしてくれています。犬の皮膚の腫瘍は、犬の腫瘍の1/3を占め、その2/3は良性のものといわれています。犬の皮膚腫瘍は、良性のものが悪性に比べると2倍の発生率で、もっとも多いのは、皮膚組織球腫(自然に消えたりします)、皮脂腺腫(プードル、コッカに多い。年取ったワンコさんのイボです)です。このほか、よくみられるのは、脂肪腫、毛包上皮腫(プードルに多い)、繊維腫、皮内角化上皮腫など、です。去勢していないオスのワンコさんが年をとると肛門のまわりに肛門周囲腺腫というものができやすいです(ネコにはありません)。
犬の皮膚腫瘍の20%を占めるのが肥満細胞腫です(人間にはありません)。ボクサー、ボストンテリア、ゴールデンやラブに多いといわれています。猫では皮膚型は、珍しくほとんどは良性です。低いグレードで良性の経過をたどるものから、急速成長し、リンパ節や血行性に転移しやすいものなど、グレートによって、予後は異なります。
腫瘍はみただけでは、どういうものかは判定できません。まずは、細胞診断といって、針で細胞を少量とって(ニードルバイオプシー)どういう腫瘍かを調べます。ですが、針先だけの結果ですので、良性という結果がでても100%の確定診断ではありません。細胞診断で悪性という結果がでた場合は、ただちに治療をはじめないといけません。