ベルどうぶつクリニックのブログ

東京都町田市にあるどうぶつ病院ベルどうぶつクリニックです

猫の膀胱炎と処方食

ネコちゃんの膀胱炎の原因のひとつに、ストラバイト結晶があります。ストラバイトの成分は、リン酸アンモニウムマグネシウムで、尿のPHが高くなるとできてしまいます。尿のPHが高くなる原因には、細菌感染、食事中のミネラルのアンバランス、尿量の増加、運動不足などです。この結晶が集まると、やがて、ストラバイト結石という膀胱結石になってしまいます。そうなると、手術で膀胱を切開してとりだしたりと、やっかいなことになります。結晶の段階でしたら、尿中の結晶を溶解させるため、尿のPHをさげることによって、病気が予防できます。フードの中のマグネシウムとリンの調整(単に減らせばいいというものではありません)、尿量の増加(つまり飲水量の増加)、尿の酸性化を促すような成分のはいった、処方食を食べることが病気の予防になります。逆に尿が酸性になりすぎると、シュウ酸カルシウムという結晶ができますので、尿検査をすることなく、処方食を漫然と食べ続けることはおすすめできません。例えば、飲水量を増やすためナトリウムを増量しているフードがありますが、腎臓の悪い猫さんにはよくありません。
写真はストラバイト結石です。こんなものが膀胱にあったら、痛いですね